ウエハ形状測定ソリューション

表面形状測定装置 Dyvoce (ダイボス) シリーズ 表面形状測定装置 Dyvoce (ダイボス) シリーズは、被測定ワークに合わせたレーザ変位計を用いる 非接触形状測定システムです。
使い易さを追求した機能、シンプルなユーザインタフェースを装備し、
高精度ステージメーカならではの高い信頼性とモーションコントロール技術により、様々な測定を可能にします。
CtoC 自動搬送機対応 表面形状/厚さ測定装置【DYVOCE(ダイボス)シリーズ】
手動機 枚葉型表面形状測定装置【DYVOCE(ダイボス)シリーズ】
DYVOCE(ダイボス)シリーズ技術情報
ウエハの反り測定でわかること
インゴットの形状測定

インゴットの曲率情報から大まかな結晶性を推定することができます。
Dyvoceでは、SiCなどのインゴットの形状測定も可能です。

DYVOCE(ダイボス)
出典:マイナビニュース「SiC単結晶を高速成長できる昇華法用高純度粉末原料を開発 - 産総研など」https://news.livedoor.com/article/detail/8316076/
出典:産総研「次世代パワエレ用SiCウエハー製造技術開発の大型共同研究を開始」https://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20210309.html
ウエハの形状測定

ウエハの反りを見ることで、各工程での歩留まり向上・加工プロセスの診断にもつながります。ウエハの反りは、スライス時に作られるものか、その後の工程でのウエハの表面側と裏面側の応力差から発生します。これは、研磨プロセスなどで発生する加工変質層のムラや、成膜工程では成膜面に発生する膜応力が原因です。Dyvoceの測定データを使うと、その応力解析をすることができます。

インラインのオフライン診断

ウエハの反りによっては、インラインプロセスを通せない場合も出てきます。例えば搬送のロボットハンドや装置の吸着版での吸着エラーです。
Dyvoceでは、枚葉機のワークテーブルをロボットハンドや各プロセス装置の吸着版を模して搭載することができるため、オフライン機でインライン機の評価をすることができます。

ウエハの反り測定の注意点

ウエハはその名のごとく薄い物体であるため、装置に対してウエハをどうセットするかでウエハの反り形状・反り量が変わってしまいます。特に大口径ウエハや薄いウエハなど、剛性の低いウエハの場合それが顕著に表れます。現在、装置間で反り形状・反り量の相関が取れなくなっているのはこれが原因です。
そのため、Dyvoceでは装置内にウエハを3点の支持点上に水平配置して、表面が上向きの状態・裏面が上向きの状態の2つの測定結果から自重たわみを補正して、真値に近いウエハの反り形状・反り量を計測することができます。また、モデルデータを使用することで、表面片面のみの測定でも自重たわみを補正することもできます。

支持点のよる影響がある形状
たわみ補正した形状
応力解析ソフトウェア 膜応力解析ソフトウェア

成膜前後のSORI形状の測定データを用いて、ウェハの直径方向に対して解析ラインを指定し、それぞれのデータの曲率半径と設定パラメータに応じた膜応力の分布を算出します。また、断面ごとのプロファイルデータの算出やレポート出力もおこなえます。

膜応力解析ソフトウェア
ベアウエハの応力解析ソフトウェア

ベアウエハの形状データから、ウエハの持つ応力を解析します。

膜応力解析ソフトウェア
ウエハの厚さ測定でわかること
ウエハの厚さ測定

ウエハの厚さを見ることで、各工程での歩留まり向上・加工プロセスの診断にもつながります。
この厚さの制御ができないと、ウエハを吸着する露光工程でのフォーカスエラーなどにつながります。

厚みムラ
成膜の厚み測定

成膜された各膜のGBIRを測定することができます。

ウエハの厚さ測定の注意点

ウエハの厚さ測定は色々な測定方式があります。
それぞれで一長一短があるので、注意が必要です。

サイト評価での厚み測定

ウェハをカッティングした際の各サイトの厚みムラを測定できます。

サイト評価での厚み測定
SEMI・SEMI Standard関係の用語集
Bow 3P
ウェハの中心の高さの指標、3点基準面からの高さ
Bow BF
ウェハの中心の高さの指標、最小二乗平面からの高さ
Warp BF
FQA内でウェハの厚みの中心を通る面を作り、その面の最小二乗平面からの最高点と最低点の差
SORI
最小二乗平面から上下法線方向のそれぞれの最大値の和。ウエハ全体の反りを表す
FQA(Fixed Quality Area)
平坦度などの品質が担保されたエリアのこと
EEA( Edge Exclusion Area)
ウエハの平坦度などの品質が担保されない外周部エリアのこと。通常2mmまたは3mmに設定される
屈折率
光が異なる物質の境界面を通過するとき、光が進む向きが変化する現象を定量的に表したもの
近赤外線のセンサを用いてウェハの厚みを計算する際に係数として使われる
ヤング率
縦弾性係数。弾性範囲における応力とひずみの比例関係を表す比例係数で、 縦弾性係数と呼ばれる
これが大きいほど、材料の剛性は高くなる
ポアソン比
縦のひずみ量と横のひずみ量の比率
LTV(local thickness variation)
理想面で各サイトの内部での基準面からウェハ表面までの距離の最大値と最小値の絶対値の差。サイトごとのばらつきを表す
重力補正
ウェハのSORIを測定する際に重力によるウェハの歪みをキャンセルするために用いられる手法
3つの手法があり①Representative Wafer Inversion Method(代表的なウェハ反転法) ②Sample Wafer Meshod(サンプルウェハ反転法)
③Theoretical Modeling Method(理論的モデリング手法)
Representative Wafer Inversion Method(代表的なウェハ反転法)
直径、厚さ、フィデューシャル、組成、結晶方位が同一のウェハを重力補正として使う
Sample Wafer Meshod(サンプルウェハ反転法)
ウェハの表裏面から反り情報を測定し、そこから自重によるたわみを抜き出して自重たわみ補正を行う
Theoretical Modeling Method(理論的モデリング手法)
仮想のモデルウェハから算出された自重たわみで重力補正を行う
ベッセルポイント
ワークを水平に並ぶ支持点上に置いたときに、そのワークのたわみが最小限になる位置
パワー半導体
大きな電流、電力を用いるのに適した半導体のこと
ダイオード
Pn結合を作って電極を設けたもの(SiCなどは日本が得意としている)
イオン注入
パターン形成されたフォトレジストをマスクにして、ウェハ表面近傍に導電型不純物を打ち込む
打ち込むエネルギーと面積当たりの注入量を変化させ、不純物の深さと量を制御する
SEMIスタンダード
SEMIが決めた規格で世界中の半導体業界の規格になっている
3D実装
メモリやマイコンなど複数の半導体チップをパッケージ内で3次元に積層して実装する技術
個片化(Dicing)
ダイシングプロセスのこと。ウエハに回路をパターニングしチップサイズごとに切断すること
MEMS
ミクロンレベルの駆動部品などが集積化したデバイス
機械安全
装置の製造から廃棄に至るまで、人による間違いや機械の故障を想定した上でも事故が起きないような機械設計
リスクアセスメント
許容不可能なリスクを無くし、それに基づいた機械設計と安全方策を行うこと